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植物園の赤いレンガ壁
透明水彩 A3(364×515mm) 2007年制作
穏やかな5月。帽子をかぶるのを忘れるほど木陰の柔らかな日射し。
ここちよい風。植物園でひとり気持ち良い時間をすごすことができました。絵がほぼ仕上がったので、場所を変えてもう一枚描こうと、戸外イーゼルと水彩一式をキャリーに乗せて園内を歩いていました。
ベンチに女性がふたり。
「ひとりになったらご飯も作らない…。こういう人生もあるんだねえ。ご飯作るのも時間はかかるものだけど…」
ベンチに座る初老の女性の声でした。隣は娘さんのようでした。
思わず立ち止まってしまい、私はすぐに田舎の自分の母を思い出していました。
私の母もいっとき同じことを言っていたのです。
「ご飯は家族がいるから一生懸命作った」
「自分が老いていくなんて思わなかった。お父さんが死ぬなんて思わなかった」
それでも今年2月に一周忌を済ませ、母は回りの人たちに支えられ何とか元気を取り戻しつつあります。
心地よい風と日射しと、美しい花々・萌えるような若葉が、あの見知らぬ母娘の心を少しでも癒してくれたことを願います。
夕べ私は父の夢を見ました。父が家に帰ってきた…そんな不思議な夢でした。
樹木の表現には課題ありと思いました。一番手前の樹木。固まりで捉えられない未熟さを、描きながら感じました。2007.5.19

